インターネットバンキング

2016.10.18 岡田定晴
 秋のモノローグ(作曲:Amacha)

 私は、平成16年(2004年)頃に、インターネット専門の銀行(店舗を持たずインターネットと提携金融機関のATMでお金の入出金や振り込み、口座振替などを行う銀行)に口座を開設しました。 単身で北海道に住んで仕事をしていたので、平日の昼間に銀行に行って口座振り込みなどの対応をすることが難しかったからです。また、時間的なロスを少なくして、 仕事に専念したいとも思っていました。従来から持っている東京の銀行の口座でも、多分、ネットバンキングは始まっていたと思います。しかし、大きなお金の入っている口座で インターネット取引をして何かの間違いがあってはいけないと考えました。そこで、自分の生活費くらいを預けて、インターネットで振り込みのできる便利な口座が必要だったのです。

 当時は、1997年に北海道拓殖銀行と山一証券が破たんした記憶が薄れておらず、不良債権を抱えている銀行に対する不安がまだ残っていました。 当然、新しく生まれたネットバンキングに対する不安はありました。しかし、新しく開設された店舗を持たないインターネット専門の銀行なら不良債権は無く、 店舗を持つ従来の銀行運営に必要な経費もかからないであろう。しかも日常の生活費を預けておく程度なら万一のことがあっても大丈夫と、自分なりに納得して行動を起こしました。



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 口座開設のためにどのような手続きをしたのか、詳細は忘れましたが、少しハードルが高かったような印象が残っています。 銀行の店舗が無く、自宅のインターネットに接続したパソコンの端末で、どのように利用を開始するのか、開設した口座への入金はどのようにすれば良いのかなど、 不安はいくつもありました。最終的に、住んでいた場所のすぐ近くにあった郵便局のATMで自分の口座に現金を入金し、自宅のパソコンで出張のため予約した航空券やビジネスホテルの支払いを行ないました。 銀行の窓口やATMに行かなくても、自分のパソコンで振り込み・支払いなどの銀行業務が行えることがわかり、ひとまず安心しました。

 利用当初は、ログインパスワードと暗証番号の設定だけでしたが、ある時”ワンタイムパスワードを発行する掌に載る大きさのトークン”が送られてきました。 このワンタイムパスワードは、トークンを持っている自分と銀行にしかわからない一時的なパスワード(一定時間を経過すると変化する)を発生するもので、口座の預金を移動するときに、 端末から入力することを求められます。また、トークンは数年に一度交換するので安心感を得ることができました。更に、パソコンで送金の指示をした時やATMで引き出しをした時などは、 携帯電話に取引の内容が送られてくるので、自分が行った操作が確実に行われていることが確認できます。また、万一誰かが自分の口座から不正に送金を行った場合のチェック機能の役割も 果たしてくれます。

 この12年間、インターネットバンキングを様々な振り込みに利用してきましたが、一度もトラブルを経験したことがありません。取引の明細は、Excel、CSVなどのファイル形式を 指定してダウンロードすることができます。私は、ネットバンキングが持っている機能のほんの一部しか使っていません。それでも、自宅に居て深夜に振り込みの操作を行い、取引の記録が残るということが、 どれほど私の生活を便利にしてくれたか計り知れません。もう、インターネットバンキングが無い時代には戻れなくなりました。


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