コーヒーブレイク: 自分のシルエット

2016.10.26 岡田定晴
 ソワールへ続く道(作曲:Amacha)

 フランス18世紀の蔵相シルエットが、”肖像画は高価な絵具を使わずに黒一色で塗りつぶしたものにせよ”と倹約を主張し、 輪郭を主とした肖像画が流行したことから、これをシルエットと言うようになったそうです。

 今から23年前(1993年、平成5年)の夏、パリのモンマルトルの丘を歩いていたときに、若い学生と思われるフランス人に呼びとめられ、 鋏で切り抜いてつくるシルエットのサンプルを見せられました。あなたのシルエットをつくりたいと言っていました。日本円にして数百円です。 よく出来ているので、自分のシルエットも作って貰おうとそのフランス人にお願いしました。私の顔を見ながら鋏を動かし、瞬く間に完成しました。 私の特徴を良く捉えていて、シルエットの横顔は、本物より見栄えが良く、とても似ていました。



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 日本に戻って友人に見せて自慢したら、そっくりだと言ってくれました。その当時、私は技術的なものに対する関心が強く、芸術には あまり興味がなく、こうしたものの価値がわかりませんでした。ただ、短時間で失敗せずに作り上げる素晴らしい才能を持った人が居るものだ、 日本ではこうした人に会ったことが無いと思いました。同じモンマルトルの丘で、お客さんをモデルにした人物画も鉛筆で描いていました。 熱心に勧められたのに断ってしまいました。今になってみると、その場で自画像を描いて貰っておけば良かったと、後悔しています。

岡田定晴シルエット  今から6年前、2008年の年末に『あのシルエットは、どこかにあるはず。でもどこにいってしまったのかな~』と思っていた時、 ひょうんな事からシルエットが描かれた紙が出てきました。昔読んだ本の中で、もう一度読みたいという本を何冊か見つけ、 ページをめくっていたとき、本の中からあのシルエットが落ちてきたのです。 1995年、大前研一著『インターネット革命』(日本企業は衝撃に耐えうるか この「対等なネットワーク」は、タテ組織の日本企業と ビジネスマンのあり方を一新する。)の64ページから・・・。40歳ころの空気とともに、タイムマシンに乗って現れたかのようでした。

 このときから、自分の顔写真に代えて、自分のロゴとして、SNS(social networking service)や会社内のサイトで、 そしてこのブログサイトで「自分のシルエット」を使っています。


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