事が起きたその場に居なければ撮影できない映像

2016.11.01 岡田定晴
 ソワールへ続く道(作曲:Amacha)

 最近、「事が起きたその場に居なければ撮影することができない映像」をテレビでよく見かけるようになりました。 例えば、強風の影響による建築現場のパネルの落下、火事の現場、火山の噴火、竜巻、夜間畑を荒らす動物、 雲や太陽の自然現象、ハプニング、台風で浮き上がる民家の畳、墜落した飛行機が離陸したときの様子、自動車事故・・・等々です。

 もう20年以上前から、地震が発生した時の揺れの様子、ジェット機の胴体着陸やエンジンが火を噴く瞬間など空港で見られる映像、 地震発生後の海岸の様子、地震発生時に窓ガラスが道路にバラバラと落下する様子など、それ以前には容易に見ることができなかった 映像を見ることができるようになりましたが、これらは放送局が固定した場所に設置したカメラの映像でした。

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 昔から、一般の人が撮影した写真や映像は、「視聴者撮影」などのクレジットのついた放送として見ることはありましたが、 事が起きてから時間が経過したものでした。最近のこうした映像は、事が起きてからあまり時間が経過しないで放送されています。 これは、スマートフォンやタブレットPCで画質の良い動画や写真が簡単に撮影できるようになったこと、 スマートフォンなどのモバイル機器が急速に普及したこと、 モバイル機器で撮影した映像がインターネットを経由して離れた場所(放送局)に簡単に送れるようになったこと、 あるいはYouTubeのような動画サイトにアップロードできるようになったこと、 放送局側でこうした映像を受け入れる仕組みができてきたことなどによるものであると考えられます。

 ここでもICT(情報通信技術)の発展によって、私たちは「事が起きたその場に居なければ撮影することができない映像をテレビでよく見かける。 これまで見ることが出来なかった映像を見ることが出来る。」という恩恵を受けることができるようになりました。 普段意識することなく、何気なくテレビを見ていますが、気づいてみれば大きな変化が起きていることに改めて驚くばかりです。


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