デジタルサイネージ

2016.12.21 岡田定晴
 ブルーネオンⅠ(作曲:Amacha)

 近頃、ビルの外壁の大きなスクリーンや、駅やデパートの通路の柱などに広告やお知らせ画面を写しているテレビのようなモニター画面を目にします。 広告用の電子看板ですが、デジタルサイネージと言います。時間がたつとディスプレイの中身が切り替わるのがサイネージの良さの一つ。 昔ながらの看板だと描かれている絵や貼られているポスターが変わることはありません。しかし、サイネージだと一つのディスプレイで違う絵を何枚も使えます。 今回は、そんなデジタルサイネージに寄せる思いを書きます。



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 5~6年前に中国を旅行したある人から、『上海はタクシーに乗っても、街の中を歩いても、どこでもデジタルサイネージで溢れている。』という話を聞いた時、 『へえ~、そうなのか。』と思いました。日本では、あまり見かけなかったからです。でもここ数年、気付いてみれば、東京では至る所で『デジタルサイネージ』を 見掛けるようになりました。一口に「デジタルサイネージ」といっても、本当に多くの種類、目的・用途があります。

〇 ビルの外壁や屋上に設置した巨大なもの
〇 駅やデパートの柱の各面に配置した縦長の広告
  (同じ内容を表示した多くのサイネージが並ぶ)
〇 ビルの玄関ホールに設置する催し物の案内板
〇 会社の受付に設置する案内や広告
〇 電車の中で情報提供をするもの(トレインチャンネル)
〇 証券会社の建物内から通行人に向けた「為替や株」の表示
〇 地域の情報などをテレビのように映像と音声で見せるもの
〇 不動産屋の玄関脇にあるタッチパネル式で「賃貸情報」を照会するもの
〇 レストランの入り口に設置されメニュー等を表示するもの
〇 店舗の内側から取扱商品等を紹介するもの
〇 自動販売機の販売商品を表示するもの
 このほか、例を挙げれば限がありません。

サイネージ サイネージ サイネージ サイネージ サイネージ  巨大なデジタルサイネージは、歩いていても視界から外れることがなく、遥か遠くにあっても良く見えます。 遠くからは詳しい内容がわからなくても、何のコマーシャルかはわかります。 駅やデパートの柱のサイネージは、すぐに通り過ぎてしまい、一つだと印象に残らないので、 歩く動線に沿って、同じ内容のサイネージがいくつも表示され続けます。 電車内にあるトレインチャンネルは、混雑していても良く見えるので、自分が降りるまでじっくり 見ることができます。たった数十秒でも短時間でも内容が伝わるような編集がされています。

 デジタルサイネージは、夜でも明るく見える、動く映像や音がある、ニュースなどタイムリーな情報が表示される、 地域に密着したメッセージを見ることができることなどが、従来の看板と違うところでしょうか。 でも、弱点もあります。テレビに流れるCMやニュース、新聞・雑誌同様に、催し物の案内や為替・株価やニュースなど、 必要や関心があって見るもの以外は、あまり印象に残りません。サイネージだからと言って、 興味や関心のないことでも気持ちが引き込まれると言うようなことはありません。 また、歩きながら目に入るので、すぐに通り過ぎてしまうからでしょうか。じっくり見たいものも、暫く立ち止まったり、 電車を乗り過ごしてまで見ることはありません。 そんな時は、スマホに自動取り込み機能があってサイネージから情報が配信されたら有難いなあと思います。

 ICT(情報通信技術)の発展の恩恵を受けて花咲いたデジタルサイネージ、これまで不可能だったことを 可能にしました。乗り物の中や、街の至る所で情報を発信するようになりました。 5年9か月前の3.11から数日後、東京で大停電が起きるかもしれないという情報が流れた日、薄暗くなった池袋駅の通路は、 運転休止で電車に乗ることが出来ない人で溢れていました。その中に居た私は、もし電気が全部消えて真っ暗になったら怖いという恐怖感と、 どのように行動すれば良いのかという判断材料が無いという心細さに襲われました。今は、その通路には数多くのデジタルサイネージが 並んでいます。あの時、ここで適切な情報が表示されていれば、どれほど心強かったかしれません。 このような時にも、デジタルサイネージに活躍してもらいたいものです。 ICTがもたらしたデジタルサイネージの機能の向上と使い方の工夫によって「私たちの未来の暮らしと安全が切り開かれていくのだ」と、 見慣れて来たサイネージに寄せる私の思いは、どんどん膨らんでいくのです。


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