電話 ~その3 蘇った昔の記憶~
2016.12.28 岡田定晴
夢の名残り(作曲:Amacha) |

その孫が、小学一年生になりました。最近、その携帯電話を家に持ってきて充電して欲しいと言いました。 「充電しても通信回線がつながらないので使えない」と教えましたが、どうやらボタンやディスプレイが光る 本物の携帯電話が欲しいらしいのです。

「充電しても、2004年(平成16年)よりも以前の古い電池だから、もう駄目かもしれない。」 と孫に言ってあきらめさせようとしました。しかし、意外なことに、もう使えないだろうと思っていた電池は 完全に復帰しました。
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今度は、電話番号一覧を見て、そこにある人に電話をしようとしています。 私は思わず慌ててそれを止めようとしました。でもよく考えてみれば、10年以上も昔に契約が切れて通信回線もつながらない筈 なので安心して見ていました。その電話帳を見ると、タイムマシンで平成16年に戻ったかのようです。 その当時、連絡を取り合っていた人の名前や肩書など昔のままです。 孫は、自分の家族を一つのグループにまとめ、一人一人の名前と電話番号を電話帳に入れて欲しいと、私に頼んできました。 面白いのは、同じマンションに住む同じ苗字の友達も、自分の家族と同じグループに入れて欲しいと私に頼んだことです。


12年以上経過しても、電池が完全に復帰したPanasonicのP2102V、FOMA対応の携帯電話、 電源を入れて改めて眺めてみると、今でも惚れ惚れするような随分立派な携帯電話です。 「124MB以下のSDメモリーを入れてください」などと、今の時代には合わない不思議なメッセージも出ますが、 iPadminiを愛用している私には、こういう単純なガラケーが欲しいと思うのです。
機械は、自分の目的が達成できるのであれば、操作はシンプルなものほど優れていると思います。 携帯電話の機能は、「メール」と「カメラ」と「押しボタン式の電話」、厚さは半分くらい、 SDメモリーは16GB程度のものにすれば、欲しいと思う人が続出することでしょう。