電車内の風景 ~新聞・雑誌からスマホへ~

2017.01.04 岡田定晴
 移り行く時代(作曲:Amacha)

スマホを操作する人  電車の中で、隣に座って新聞を広げる人に迷惑だなあと思ったり、関心のある記事を盗み読みしたのは、もう何年前のことか忘れてしまいました。 日経新聞や日刊紙、本や雑誌を読む人も見かけますが、ほんとうに稀です。携帯のアンテナを伸ばしてワンセグを見る人や、ラジオを聴く人も滅多に見なくなりました。 アナログ時代にはテレビの音声(FM)を聴く人もいましたが、これはデジタル化で消滅しました。 新聞や雑誌に代わって、スマートフォンやタブレットでゲームをする人、twitterやLineやFacebookをやっている人、ニュースを見る人、YouTubeや動画サイトなど 映像を見ている人などが大多数を占めるようになりました。中には、ノートパソコンを広げて仕事をしている人もあります。若い人、特に女性はほんとうに手先が器用で、物凄い速さで指を動かしています。 曜日や時間帯によって違いがあると思いますが、電車の座席に座った人の凡そ半分近くの人がスマホを操作しているのではないでしょうか。



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 スマホは手を動かして操作するので、ゲームなどに熱中して、狭い座席で隣の人の迷惑を顧みず腕や肘を突き出してくる人もあります。 隣の人の体が触れてスマホの操作の邪魔になると、腕や肘にぐっと力を入れて自分に触れさせないようにする者さえある始末です。 歩きスマホも多くなりました。後ろを気にせずにのろのろと歩いたり、前を見ないで歩いてきてぶつかりそうになったり、 スマホを操作しながらエレベーターに乗ってきて周囲を気にせずにそのまま出て行くなど迷惑千万です。 電車内や駅のホームで、歩きスマホへの注意を呼び掛けるアナウンスをよく聞くようになりました。

 電車内の「動く広告(トレインチャンネル)」で放映されるCM、ニュ-ス、天気予報などを良く見ています。 このトレインチャンネルで広告を放映するための料金(スポットCM、JR8路線)をインターネットで調べると、 一週間、15秒で44件の放映で420万円(詳細は別途問い合わせ、制作費は別)となっています。 ここでの広告は、それだけ多くの人の目に触れて、宣伝効果も高いのでしょう。 また、駅のホームや隣接する通路やデパートでは、縦長の大型デジタルサイネージが並んでいるのを見かけるようになりました。

 こうした電車内や駅の風景の変化からも、「紙」のメディアから、「電子的な」メディアに大きくシフトしていることが窺えます。 メディアの主役は「新聞」や「放送」から、情報通信技術を駆使した「ネットメディア」に大きくシフトしていると感じる今日この頃です。

 目には見えませんが、この「大きな変化」をもたらした革新的技術こそ、インターネットやウェブ技術、そしてOSやWebサーバー などのオープンソースなのです。コンテンツ制作や表示などのフロントエンドに関しては「HTML」「CSS」「Javascript」 などの技術やオープン系の技術です。しかし、決して難解ではないこれらの技術を身に着けている人は、本当に少ないと感じます。 単にプログラミングをすれば完成するというという時代ではなく、デザイン、無数にあるスマホやパソコンへの適切な表示、SNSとの連携、 配信サーバ、リリース対応、表示性能の改善、SEO対策、アクセスログ解析ほか多岐にわたる知識や経験が無ければ全貌がつかめません。 それ故に各分野ごとの専門家を集めてサイトの構築や運営をするのでしょう。

 大きな書店でコンピュータ関連の書籍コーナーに行けば、この分野の「技術」、「コンテンツ制作」、「SNS」や「アドテクノロジー」に関する 無数の新しい本が並んでいます。この状況をみると、それだけこの分野にかかわる人の層が厚いのだ、日本も元気なのだと感じます。 しかし、「インターネットを仕事の柱にしているベンチャー企業」や「インターネット広告の成果が業績に直結する部門」ではない組織、 即ち一般の企業の情報システム部門や製造業では、この急進的で破壊的な技術に対して、のんびりと構えているように思えてなりません。


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