リアルタイムの航空機位置情報~Flightradar24~

2017.01.19 岡田定晴
 夢の名残り(作曲:Amacha)

成田空港を離陸して福島上空へ  今から3年半前、平成13年の6月下旬のこと、海外に旅立つ家族を成田空港に見送りに行った時のことです。 航空機の飛行ルートや、目的地の到着時刻を知りたくて、Googleで検索をしました。そのとき出会ったのが、Flightradar24でした。 パソコンのブラウザでは無料で閲覧することができ、iPadではアプリを数百円で購入しました。

カムチャッカを経てアラスカ上空へ  搭乗する飛行機の航空会社名を選び、その中から便名を指定すると、地図上にそれまでの飛行ルートと、 航空機の型名と写真、出発地の地名と出発時間、到着地の地名と到着時間、そしてコックピットからみた外の様子の グラフィックス表示などを見ることが出来ました。ほぼ30分間隔で家族の乗った飛行機の運航状況を確認 していました。途中で、家族の乗った飛行機の機影が消えてしまい、驚き、慌てて他のサイトで確認しました。 飛行場に着陸するまで、ずっとFlightradar24を見ていました。着陸の時は、コックピットからの グラフィックス表示を見ていました。飛行機が停止して、無事着陸したということが、リアルタイムに わかりました。



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米国の空港への着陸態勢 グラフィックスで空港滑走路が視界に  その時、時代が変わったことをはっきりと実感しました。インターネットで、世界中を飛んでいる飛行機の状況が リアルタイムに把握できるのです。それも、航空関係者ではなく、一般人である私たちが。 この仕組みは、「世界中を飛ぶ航空機の位置情報を何らかの形で収集し、それらをリアルタイムに グラフィックス表示するサイトを構築して世界中のユーザーに提供しているのだ。」ということは容易に 想像できるのですが、そんな夢のようなことが、しかも世界的な規模で実現してしまっていることに、 ICT(情報通信技術)の凄さと進歩の速さを感じたのでした。

 このFlightradar24を見ていて、アメリカやヨーロッパを飛ぶ飛行機の多さ、香港・深セン・広州や上海を離着陸する 飛行機の多さに驚きました。これを見ていると、世界のどこが活発に経済活動をしているのかが良くわかります。 空港を離着陸する様子を見ていると、滑走路の本数や空港の建物や駐機している飛行機の数もわかります。 日本の空港よりも、香港やシンガポール、上海のほうが立派な様子がよくわかり、日本は大丈夫かと心配になります。 確か、日本のバブルが崩壊した頃、大前研一さんが『国際空港の重要性』を書かれていましたが、 今、Flightradar24でこれらの空港を見て、その指摘が正しかったことがわかります。

 以下は、Flightradar24ホームページ(https://www.flightradar24.com/how-it-works):How it worksの 一部を引用して翻訳し、要約したものです。
『Flightradar24は、ADS-B、MLAT、レーダーデータなどのデータソースから得られるデータを結合します。 これらのデータは、航空会社および空港からのスケジュールと飛行状況データとともに集計され、 独自の飛行追跡体験が作成されます。主な技術は、自動従属監視放送(ADS-B)と呼ばれています。 航空機は、その位置をGPSから取得し、航空機に搭載されたADS-Bトランスポンダは、 位置等を含む信号を送信し、ADS-Bの信号は地上で受信しFlightradar24に送られます。 世界中に10,000を超えるADS-B受信機のネットワークがあります。 高周波(1090MHz)を使用するため、各受信機からのカバレッジは、約250-450kmに制限されます。』

 Flightradar24は、海外に向かう家族や親類を見送ったときなどに、何回も使いましたが、 使うたびに機能が改善されて使いやすくなっています。これだけ大規模に世界の今を見ることができるようになりました。 ついこの前まで、我々が世界で起きていることを同時に、リアルタイムに把握できるのは、 通信衛星や海底光ファイバ-によるテレビ生中継しかありませんでした。 これからは、Flightradar24のように、テレビでは実現できないリアルタイムの情報把握が 可能になる時代で、どのようなサービスが現れるのか、われわれの生活がどのように豊かになるのか 楽しみです。


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