懐メロ番組とYouTube

2017.04.24 岡田定晴
 あの日に帰れたら(作曲:Amacha)

YouTube  テレビの懐メロ番組を見て、自分が若いころ流行した歌を久しぶりに聴いて、また歌手の姿を見て昔を懐かしく思い出すことができたのは、 YouTubeが身近なものになる以前のことでした。でもYouTubeのお陰で、その感覚がすっかり無くなってしまいました。誰かがアップロードし、 著作権の問題で削除されるということを繰り返しているようですが、削除されてもまた別の誰かがアップロードします。

 私は、今の歌にはどうも馴染めませんが、若いときに聴いた歌や好きだった歌はYouTubeでよく聴きます。 心が落ち着くのです。伊東ゆかり、園まり、舟木一夫、奥村チヨ、橋幸夫、由紀さおり、三田明、ザ・ピーナッツ、岩崎宏美、いしだあゆみ、 あべ静江、天地真理、石原裕次郎、天童よしみ、井上陽水・・・・・ほか、昭和の歌です。 若いときは聴かなかったけれど、今聴いて再評価する歌もあります。当時は自分の感性にマッチしなかったり、 その歌の価値が理解できなかったりしたものが、今は受け入れられるようになったのでしょう。



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 こう書き並べてみると、自分も随分、化石人間になってしまったかのように思えます。 しかし、聴けば心が落ち着くのです。いつでも、あの日あの時のままなのです。 自分が若いとき、昭和初期や明治・大正時代の歌は古臭くて聴きたくないと思ったように、 今の若い人も昭和のヒット曲を同じような感覚で捉えているのかもしれません。

 YouTubeを聴く私にとって、テレビの懐メロ番組は、歌手の全盛期の歌声と現在の歌声を、否応なしに比較させてしまうことになります。 聴いていて、「あれ?」と感じることがあります。YouTubeを知らずに、テレビの懐メロ番組で久しぶりに昔の歌声を聴いて「懐かしい」 と感じるほうが幸せなのかもしれません。齢をとれば、肺活量が減り体力が衰え体型も変わり、高い声が出なくなったり、 声量や声の艶、感受性も失われます。常に自分を磨いて能力を維持していかなければ、声が衰えたり、変な癖がついたりするのでしょう。 だから、YouTubeで毎日聴いている全盛期の歌声と、懐メロで聴く現在との落差を強く感じることがあるのでしょう。 しかし、高齢になっても、昔と全く変わらない歌手も大勢います。これは凄いと思います。努力を続けておられることがわかるからです。 YouTubeもインターネットも無い昔は、レコードやCD、テレビやラジオなどのメディアの力は偉大なものでした。その偉大なメディアで 有名になり偉大な存在になってしまうと、その偉大な存在に対して誰も何も言わなくなってしまうでしょうから。

リサイタル  実は、こうしたことを強く感じたのは、今から4~5年前のことです。最近の懐メロ番組は、昭和の時代に歌ってヒットさせた歌手ではなく、 現在活躍している若い歌手が代わって歌うことが多くなったように感じます。時の流れをとても速く感じます。ここに書いたことは、 YouTubeの登場に伴って、一部のごく限られた人がある時期に感じたことなのかもしれません。
 歌手やアーティストは、ICT(情報通信技術)の成果を積極的に活用して活動範囲を広げているように思います。 独自性のある立派なウェブサイトを持っておられる方、YouTubeやFaceBookやブログサイトを上手に活用して存在感を示されている方がおられます。 もちろん、多くのスタッフの手が加わって作成されているものでしょうが、昭和の時代には遠い存在だった歌手やアーティストも、 インターネットの時代には身近に感じます。それに加えて、YouTubeなどで歌声を聴くと、リサイタルの会場に行って、直接聴いてみたくなります。 そこには、テレビでは見たり聞いたり感じたりできないものがあります。その会場に来た人だけに伝わるものがあります。


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