定期券の更新時期を忘れて現金チャージが空に
2017.05.15 岡田定晴
陽炎(作曲:Amacha) |

恐らく、誰もが経験したことがあるでしょう。毎日を忙しく過ごしていると、定期券の更新時期などは忘れてしまいます。 毎日、定期券を改札機にかざせばゲートが開くのが当たり前と思っています。
定期券のICカードには現金がチャージでき、この現金を使うことができます。昔は、定期券のルートとは違ったところに行くとき、 違う鉄道会社の乗り物に乗るときは、自動販売機(昭和40年代は切符売り場)で切符を買っていましたが、 今ではICカードに現金のチャージがあれば、切符を買わなくても必要な運賃が自動的に差し引かれます。 定期券として継続使用していなくても、ICカードに現金がチャージできますので、同様のことができます。

一方、定期券の期限が切れると、このチャージした現金から運賃が支払われます。本人が定期券を使っているつもりでも、 実は、定期券(ICカード)を割引運賃が適用されない運賃の現金支払カードとして使っていることになります。 定期券の期限が切れたというメッセージは表示されません。そしてある日突然に、定期券をかざしても改札ゲートが開かなくなって 足止めをくらってしまいます。突然のことに、何故そうなるのか、その場で直ぐには理解できません、わかりません。
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現金が5000円近く引き去られるまで全く気付かなかったことがあります。チャージ金額の減少が早いので、変だと思って気付くのです。 このようなことを何回も繰り返して、私の定期券の使用期限は、本来の更新時期より一か月以上後ろになってしまいました。
この対策として、定期券のICカードへの現金チャージは、1000円と決めました。頻繁にチャージするのも大変ですが、 多額の現金をチャージしていると、期限切れに気付かず、損失が大きくなるからです。
改札を通るときに『あと○○日で定期券期限切れ』というようなメッセージか、運賃をチャージから支払ったというメッセージまたはランプ表示か、 定期券購入時に、期限切れで運賃をチャージから引き去るかどうかの選択ができるようになれば問題は解消されるでしょう。 実は、今まで全く気付いていなかったのですが、改札機の表示窓には、定期券の期限切れのメッセージが出ていました。 でも、ゆっくりしたスピードで歩き、よほど注意してこの表示窓を見ていないと、気づきません。 前を見て足早に歩くサラリーマンは、まず気づかないでしょう。
紙かプラスチックのカードに乗車区間と有効期限を印刷しただけの定期券の時代は、改札に駅員が立ち、昇降客の定期券を見て乗り越しや期限切れなど、 清算が必要な客を発見して指導していました。その後、磁気カードの定期券とゲートが導入され、駅員が改札に立つことはなくなりましたが、 乗車した駅は磁気カードの定期券に記録されず、また機械を通さずに駅員に磁気カードの定期券を見せて改札を通ることも日常的に行われていました。 現金のチャージもできませんでした。ICカードになってから、乗車駅、降車駅が管理され、現金のチャージも可能になりました。 事故などで代替路線の電車に乗車した場合、定期券が次に利用できるように、降車する駅の駅員に提出して書き込まれた内容をキャンセルする必要があるのは面倒ですが、 きちんと管理されていると感じます。
一枚のICカードで鉄道各社を乗り継ぎ、その都度乗車券を買う必要もなく、小銭を持ち歩かなくても自動販売機が使えるなど、 ICT(情報通信技術)の進歩で、大変便利になり、時間の節約が可能となりました。最初から今の仕組みを使っている人は 昔と比較することはできないでしょうが、昔、カードに印刷しただけの定期券を使っていた人も、ICカードが当たり前になってしまいました。 ICTの進歩の恩恵にあずかっていることを、あまり感じなくなりました。 ICカードの定期券のような大規模な仕組みの開発や導入や運営は、想像を絶するほど大変なことだったと思います。 でも、もうあと一歩、細かい配慮を期待したいところです。