パワーポイント登場以前のプレゼンテーション
2017.06.13 岡田定晴
麦畑をかける少女(作曲:Amacha) |
パワーポイントやクラウド型のプレゼンテーションツールが当たり前のように使われるようになりましたが、
これらが登場する前はどのようにしていたのでしょうか。
最新のオフィスでは、会議室やミーティングのできる場所には、ネットワークに接続されたプロジェクターがあります。 また、WiFi環境も整備され、会議の参加者が持ち込んだノートパソコンは、ネットワークに接続することができます。 そのノートパソコンを、ネットワーク経由でプロジェクターに接続して、プレゼンテーションを行うことは、 ごく日常的な風景になりつつあります。以前は、オフィスにWiFiのネットワーク環境が無く、プロジェクターのケーブルを、 報告者が交代でノートパソコンに接続してプレゼンテーションを行っていたものです。
報告後、参加者が必要とする資料は、電子的に配布します。印刷すればコストがかかりますし、紙の山ができれば、職場環境が悪化します。 ですから、ペーパーレスで電子的に処理することが求められます。慣れれば何でもないことですが、長いあいだ紙で仕事をしてきた人々 にとっては、とても大変なことです。なかなか変えられるものではありません。
業務関係者の間で、理解を求めたり情報を共有するためにプレゼンテーションを行うことは欠かせません。 ワープロの内容や、エクセルの内容を直接表示して説明することもありますが、効果的に内容を伝え理解を深めてもらいたいときには パワーポイントを使います。また、公的な場での講演を行ったり研究発表を行ったりするときには、パワーポイントが必須です。
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でもパワーポイントが登場する以前はどのようにしてプレゼンテーションをしていたのでしょうか? 業務関係者の間の打合せでは、ワープロ(その昔は手書き)で作成した資料を印刷して配布していました。 公的な場での講演や研究発表の場では、スライドプロジェクターが使われていました。 このプレゼンテーションのためのスライドの作成には、大変な手間(時間)とお金を費やしていました。 スライドの作成は、一般の写真で使われるネガフィルムではなくポジフィルムを購入して図面等を撮影し、写真屋さんに そのポジフィルムを持ち込んで現像をお願いし、一枚ずつスライド用のマウントに収めてもらうのです。 また、青地に白文字のスライドは、活字で印刷して作成した白地に黒文字の原画を写真屋さんに渡して作成してもらいました。 ジアゾフィルムという特殊な感光フィルムを使って処理されたのでした。
そして、いよいよ報告の場に臨むことになります。講演や研究発表の少し前に、スライドのホルダーの前後左右を統一し、
発表順に並べたスライドのセットを持って準備室に行きます。そこで、スライドプロジェクターのホルダー(形状は円筒形または直方体)に、
一枚ずつスライドを装てんし、試写用のプロジェクターで上下が逆さになっていないか、左右が逆になっていないかを確認します。
ここまで確認してあとは担当者に任せます。順番が来れば、そのホルダーが本番用のプロジェクターに装てんされ、投影されます。
パワーポイントの時代になっても、同じような事があります。報告用のノートパソコンを事前に会場に持ち込み、プロジェクター用のケーブルを接続し、 切替器のスイッチを自分のノートパソコンに切り替えて実際に投影してみるのです。自分のノートパソコンで報告内容を見ながら、 同時にプロジェクターに同じ内容が投影されることを確認します。普段行わない操作なので、これがなかなか難しいのです。 このサポートをする担当者は、パソコンのファンクションキーの使い方やパワーポイントを熟知していて、 戸惑う報告者に操作方法を教えたりしています。この点に関して言えば、スライドプロジェクターの時代の方が、目に見えるだけ 簡単で精神的にも楽だったと思います。
スライドは、発表の数日前に修正したい箇所が見つかっても、修正することは不可能です。講演や研究発表の場で、
青地に白抜きの大きな文字が投影されたときや、報告のポイントになる図面や写真が投影されたときは、嬉しいものでした。
こんなに時間もお金もかけて準備したスライドも、報告後に使われることはまずありません。
パワーポイントが登場して、報告直前でも内容の修正が不可能ではなくなりました。本来、公的な場での報告は、
直前に変更を加えないように十分に練られたものとすべきで、スライドの時代の方が良かったのかもしれません。
しかし、パワーポイントは、時間もお金もスライドほど費やす必要は無く、効率的に仕事を進めることができます。
プレゼンテーション資料に、動画や音声まで含めることもできます。
パワーポイントやクラウド型のプレゼンテーションツールのお陰で、「公的な場での講演や研究発表の場」で使用する プレゼンテーション資料の作成は、昔と比べられないくらい効率的になりました。資料の復元や再利用も便利になりました。 しかし、「業務関係者の間で、理解を求めたり情報を共有する」ツールとして、パワーポイントの使用を禁止している会社もあるようです。 それは、資料の作成に多くの時間がかかるからです。日常の業務では、パワーポイントで形式を整え、しっかり作成しなくても、 メモレベルの資料で充分目的が達成出来るからなのです。これに限ったことではありませんが、技術が進歩して便利なツールが登場しても、 それに振り回されて本末転倒にならないよう最適な使い方を考えることは、大切なことなのでしょう。
最新のオフィスでは、会議室やミーティングのできる場所には、ネットワークに接続されたプロジェクターがあります。 また、WiFi環境も整備され、会議の参加者が持ち込んだノートパソコンは、ネットワークに接続することができます。 そのノートパソコンを、ネットワーク経由でプロジェクターに接続して、プレゼンテーションを行うことは、 ごく日常的な風景になりつつあります。以前は、オフィスにWiFiのネットワーク環境が無く、プロジェクターのケーブルを、 報告者が交代でノートパソコンに接続してプレゼンテーションを行っていたものです。
報告後、参加者が必要とする資料は、電子的に配布します。印刷すればコストがかかりますし、紙の山ができれば、職場環境が悪化します。 ですから、ペーパーレスで電子的に処理することが求められます。慣れれば何でもないことですが、長いあいだ紙で仕事をしてきた人々 にとっては、とても大変なことです。なかなか変えられるものではありません。
業務関係者の間で、理解を求めたり情報を共有するためにプレゼンテーションを行うことは欠かせません。 ワープロの内容や、エクセルの内容を直接表示して説明することもありますが、効果的に内容を伝え理解を深めてもらいたいときには パワーポイントを使います。また、公的な場での講演を行ったり研究発表を行ったりするときには、パワーポイントが必須です。
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でもパワーポイントが登場する以前はどのようにしてプレゼンテーションをしていたのでしょうか? 業務関係者の間の打合せでは、ワープロ(その昔は手書き)で作成した資料を印刷して配布していました。 公的な場での講演や研究発表の場では、スライドプロジェクターが使われていました。 このプレゼンテーションのためのスライドの作成には、大変な手間(時間)とお金を費やしていました。 スライドの作成は、一般の写真で使われるネガフィルムではなくポジフィルムを購入して図面等を撮影し、写真屋さんに そのポジフィルムを持ち込んで現像をお願いし、一枚ずつスライド用のマウントに収めてもらうのです。 また、青地に白文字のスライドは、活字で印刷して作成した白地に黒文字の原画を写真屋さんに渡して作成してもらいました。 ジアゾフィルムという特殊な感光フィルムを使って処理されたのでした。

パワーポイントの時代になっても、同じような事があります。報告用のノートパソコンを事前に会場に持ち込み、プロジェクター用のケーブルを接続し、 切替器のスイッチを自分のノートパソコンに切り替えて実際に投影してみるのです。自分のノートパソコンで報告内容を見ながら、 同時にプロジェクターに同じ内容が投影されることを確認します。普段行わない操作なので、これがなかなか難しいのです。 このサポートをする担当者は、パソコンのファンクションキーの使い方やパワーポイントを熟知していて、 戸惑う報告者に操作方法を教えたりしています。この点に関して言えば、スライドプロジェクターの時代の方が、目に見えるだけ 簡単で精神的にも楽だったと思います。


パワーポイントやクラウド型のプレゼンテーションツールのお陰で、「公的な場での講演や研究発表の場」で使用する プレゼンテーション資料の作成は、昔と比べられないくらい効率的になりました。資料の復元や再利用も便利になりました。 しかし、「業務関係者の間で、理解を求めたり情報を共有する」ツールとして、パワーポイントの使用を禁止している会社もあるようです。 それは、資料の作成に多くの時間がかかるからです。日常の業務では、パワーポイントで形式を整え、しっかり作成しなくても、 メモレベルの資料で充分目的が達成出来るからなのです。これに限ったことではありませんが、技術が進歩して便利なツールが登場しても、 それに振り回されて本末転倒にならないよう最適な使い方を考えることは、大切なことなのでしょう。