東海道新幹線や私鉄特急電車内の風景から

2017.06.21 岡田定晴
 ないしょのお話(作曲:Amacha)

新幹線でのパソコン利用  まだ、それほど多いとは思いませんが、新幹線や私鉄の特急電車など、少し長い時間椅子に座る機会のある場所では、 パソコンをインターネットに接続して仕事をしたり、タブレットPCやスマホを使ってビジネスやSNSに利用している人 を見掛けるのは、ごく普通の事になりました。

 私が最後に大阪に出張したのは2010年の夏ですが、この頃には、東海道新幹線の中でWiFiに接続することができました。 ただし、NTTのみで、事前の契約が必要だったと覚えています。今では、大阪~東京を走るN700A・N700系の新幹線で、 5つの公衆無線LAN事業者のいずれかと契約すれば利用可能になっているようです。私は、新幹線を利用する頻度も年に数回ですから、 事業者と契約せずに、新幹線の中から個人のワイヤレスルーターを使ってウェブを閲覧したり、撮った写真をメールで送ったりしていました。 ただ、トンネルが多いので、長い時間安定して通信することが出来ず、あまり満足できる環境ではありませんでした。

新幹線の電源コンセント  それでも、新幹線の座席下横の壁にAC100Vの電源コンセントが付いたのを見たときは、流石に新幹線は最先端だと感激したものでした。 情報機器の車内への持ち込みや利用を想定していたのでしょうが、サービスとして乗客に電力を供給するということを考えると、トラブル発生の可能性も考えられ 勇気の要る決断ではなかったかと思います。おかげで、電池の残量を気にすることもなく、インターネットに接続してオフィスに居るのと同じように 仕事をすることができます。電池切れ間近の携帯を充電しておくこともできます。また、時間に追われるビジネスマンにとっては、たとえ1時間でも インターネットに接続して仕事ができるということは、貴重なことです。出張先での打合せや調査の準備、打合せ結果や調査結果などのまとめ、 自分に届いているメールの確認や出張に関する事柄、オフィスに居ないため対応できなかった事柄などにも車内から十分に対応できます。 家に帰ってから、明日会社に行ってからではなく、今、解決できるのです。その日のうちに処理してしまったほうが、記憶も正確で間違いが少ないのです。



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 新幹線に乗った時くらい、ゆっくり富士山を眺めたり、本や雑誌を読んだり、音楽を聴いたり、体を休めたりという時間の使い方をしたいものですが、 これは昔の考え方なのでしょう。常時インターネットに接続された環境があるのに、仕事をしない訳にはいきません。ICT(情報通信技術)の発展が、 人の行動や常識まで変えていくように思われます。

私鉄特急のWiFi  私鉄の特急電車は、通勤ラッシュ時に確実に座って通勤できるというメリットがあります。目的地まで20~30分の距離で、通常運賃のほかに400円程度 の特急料金を支払わなければなりませんが、朝から満員電車で押し合って疲れてしまうこともなく、確実に席に座って自分の自由になる時間が持てるからでしょうか、 何時も満席です。その特急電車でWiFiが使えるようになったのは、この一年くらいのことです。久しぶりに特急電車に乗ると、WiFiの文字が ドアの横に貼ってあるのが目に入りました。早速、インターネットに接続してみました。セキュリティが確保されていないので、ID/パスワードが必要なメールは使用せず、 公開されているニュースサイトやHPを閲覧しました。ワイヤレスルーターを持ち歩くことなく、インターネットに接続できることの便利さを実感しました。 誰もがスマホを持ったり、通勤時間でもパソコンをつないで仕事をしたいという人が増えたのでしょう。昔はワイヤレスLANに接続することが一般的でなく、 専門的な知識が必要で操作も難しかったのですが、今は誰でも簡単に接続できるように改善されました。 私は、2010年ころから、個人のワイヤレスルーターを使ってiPod touchやiPadで電車内でインターネットに接続していましたが、 こうした仕組みが普及すれば、個人でワイヤレスルーターを持つ必要もなくなるでしょう。

 このように、東海道新幹線や私鉄特急電車内の風景から時代の変化を感じます。 このことは、①インターネットが、電気・水道・ガス・電話と同じように、社会インフラになった。 ②インターネットは、自宅やオフィス内に止まることなく、屋外や移動体の中にも入り込んでいる。③スマホやタブレットが普及し、WiFiがあれば、 誰もが簡単にインターネットに接続できるようになった。 ということなのでしょう。
 私たちは、ICT(情報通信技術)が進化し、暮らしや社会を変化させている「情報通信革命」の時代に生きているのであり、 それは、40年前、30年前、20年前よりも、大きな速度で進んでいるように感じるのです。


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