名古屋駅には表玄関と裏玄関があります。表玄関は『桜通口』のほうで、銀色の円錐形のモニュメントがあります。
1989年に名古屋市の百周年にあわせて設置されました。それ以前は、ここに噴水と『青年の像』があり、
若くて発展している青年都市-名古屋を象徴するものであったと記憶しています。昔はJRに乗車していて見えた
『大名古屋ビルヂング』は、新しいビルに建て替えられた今も、昔よりは控えめですが『大名古屋ビルヂング』
と表示されています。駅ビルに入れば、『金の時計』があります。

一方裏玄関は、新幹線乗車口のある西口で『太閤通口』になります。駅ビル内には、『銀の時計』があります。
そのすぐ近く、駅ビルから外に出る建物の壁に、昔は大きな壁画がありました。待ち合わせ場所として多くの人が『壁画前』を
利用していました。昭和45年3月、私の高校の修学旅行の集合場所にもなった懐かしい場所です。
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その後、壁画には全く無関心でしたが、先日名古屋に行った際、鮮やかな18面マルチの大型ディスプレイが目を引きました。
18のディスプレイを横6×縦3につなぎ合わせて横長の巨大デジタルサイネージを構成しています。
そこに、企業や映画や商品や駅ビルの広告のほか、雨雲ズームレーダー、ニュース、検索急上昇キーワード、経済の主要指数などを
効果的に表示していました。

この巨大デジタルサイネージ、1つのディスプレイがハイビジョン画質のものであるとすると、その18倍、すなわち
横1920画素×縦1080画素×18=3732万4800画素の表示ができることになります。
人の目線と同じ高さに設置されているディスプレイとしては、これだけ大きなものはあまり見かけません。
メキシコ、グアダラハラの空港で、縦2×横4のディスプレイを、横に2台並べたものを見ましたが、あくまで8面で
一つの画面を表示していました。
多くの人が、この巨大デジタルサイネージをあまり気にすることもなく通り過ぎています。デジタルサイネージは、もう当たり前で、
珍しくもなんともなくなってしまったのでしょうか。

この巨大デジタルサイネージに表示されるコンテンツを見ていると、従来の広告でもなくテレビでもない『新しいメディア』を
見ているのではないかと感じました。新幹線の到着を待つ間、誰かと待ち合わせをして待つ間、広告や気象やニュースや主要指数
など、参考になる情報を伝えるメディアです。そして、万一災害が発生した時には、適切な情報を発信し、駅にいる多くの人々に
安心安全を届けるメディアとなることを期待したいと思いました。