スグレジ
2018.02.14 岡田定晴
アンダルシア・ワルツ(作曲:Amacha) |
ことし1月中旬、アメリカのシアトルで『レジのない無人のコンビニ』がオープンしたことがニュースになっていました。
客は、スマホに専用のアプリをダウンロードして、それを機械にかざして店に入り、商品を持って店の外に出るだけで、
あらかじめ登録したクレジットカードで決済されるそうです。カメラの映像や商品棚のセンサーをもとに、
人工知能を駆使して客の持ち出した商品を判断しているとのことです。私は、商品にRFID(radio frequency identifier)を付けて、
無線通信で商品の情報を一気に読み取るものかと思っていたのですが、画像認識と人工知能によって判断するという
一歩進んだ技術が使われていることを知り、技術進歩の速さに驚きました。
さて、ここからは日本の話しです。私は、昨年末あたりから、健康のために、私鉄の駅に併設されているスーパーで『豆乳』や『鰯の缶詰』『ヨーグルト』などを
仕事帰りに買って帰ることが多くなりました。最近、そのスーパーに『スグレジ』という無人のレジがあることに気付きました。
使い方がよくわからないので、2~3回は横目で見ながら通り過ぎて、店員が対応する従来のレジを利用していました。
遠目に見ていると、6台ある『スグレジ』は、1~2台が空いているものの、残りは埋まって、お客さんが一人で
機械に商品を読み取らせたり、支払いをしたりしています。多くの人が無人のレジを利用しているのを不思議に思いましたが、
時間帯は夜9時~10時ころで、仕事帰りのビジネスパーソンばかりのようです。だから、こうした新しい仕組みに慣れるのも
早く、なおかつ時間を節約したいという気持ちも働いているのであろうと想像しました。
店員が対応する従来のレジは6台あるものの、全てのレジに店員が居るのではなく、店員が不在で買い物客が並べないレジも2台くらいあります。
ですから『スグレジ』の使い方がわかれば、待ち時間を無くすことができます。
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昨日、店の人が『スグレジ』の横でお客さんのサポートをしていたので、自分もこの『スグレジ』を使ってみたいと思いました。
読み取り前の商品の入った籠の置き場所、読み取り後に商品を入れる籠の置き場所を教えて貰い、支払方法に現金を指定し、
「商品スキャン開始」のボタンをタッチして、商品の読み取りを開始しました。読み取り部分は、水平、垂直の2か所あります。
どちらを使用しても良く、商品のバーコードの位置に合わせて使い分けをします。また、バーコードは横でも縦でも問題なく読み取りました。
一品づつ、ピッ・ピッと音がして値段が表示されていきます。レジ袋にもバーコードが印刷されていました。
全ての商品のバーコードを読み込んだ後、「お支払いへ」のボタンをタッチして、自動販売機と同じ要領で千円札を入れました。
後ろで店員さんが見ていて、端末操作の間違いや足りないことなど、必要なサポートをしてくれます。お釣りとレシートを受け取って完了です。
バーコードの読み取り作業を除けば、自動販売機と同じです。思っていたより簡単で、バーコードを読み取らせる作業も軽快で面白く、
これまでのようにレジの順番待ちというイライラする時間が無くなったことは良かったと思いました。
この『スグレジ』、スーパーにとっては『人手不足の解消』、顧客にとっては『時間の節約』が最大のメリットでしょう。
私は、RFIDで瞬時に籠の中の商品を読み取ってもらうことを期待していたのですが、RFIDのコストや、他の人の買い物のRFIDなど 周囲の環境の影響などを考えると、当面は『スグレジ』が現実的な解決策なのだろうと思いました。 でも、こうした機械の操作が苦手な人は、『時間の節約』という恩恵にあずかれません。 新しい情報システムを導入して、担当者が端末を操作して、業務の効率化を図るのは、会社の中だけの事ではなくなり、いつの間にか広く日常生活の中に入り込んできました。 『スグレジ』を操作する自分の後ろに情報システムを理解している人が居て、自分の操作をサポートする状況は、 会社の中で新しい情報システムを導入した時に見られる風景です。仕事をすることが義務である企業内でも新しいシステムを定着させるのは大変ですが、 そうではない一般大衆がユーザーとなる情報システム化はもっと大変でしょう。凄い時代に突入しているのだと感じます。

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私は、RFIDで瞬時に籠の中の商品を読み取ってもらうことを期待していたのですが、RFIDのコストや、他の人の買い物のRFIDなど 周囲の環境の影響などを考えると、当面は『スグレジ』が現実的な解決策なのだろうと思いました。 でも、こうした機械の操作が苦手な人は、『時間の節約』という恩恵にあずかれません。 新しい情報システムを導入して、担当者が端末を操作して、業務の効率化を図るのは、会社の中だけの事ではなくなり、いつの間にか広く日常生活の中に入り込んできました。 『スグレジ』を操作する自分の後ろに情報システムを理解している人が居て、自分の操作をサポートする状況は、 会社の中で新しい情報システムを導入した時に見られる風景です。仕事をすることが義務である企業内でも新しいシステムを定着させるのは大変ですが、 そうではない一般大衆がユーザーとなる情報システム化はもっと大変でしょう。凄い時代に突入しているのだと感じます。
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ふと、メキシコのスーパーマーケットのレジ を思い出しました。レジ係がバーコードで読み取った商品は再びベルトコンベアに載せられ、その先に商品を袋に入れてくれる作業員が大勢立ち並んでいました。 商品を袋に入れてくれた作業員に『グラシアス』と言ってチップを5ペソ程度あげました。無駄と思われるかもしれませんが、毎日顔を合わせるので 人間的な触れ合いがあります。『スグレジ』だって赤字を前提にしたものではないでしょうから、顧客にコストの負担はかかっているのでしょう。技術が進歩して 無駄が無くなり、より創造的なことに時間を割くことができるのは良いことですが、人と人との触れ合いが減っていくのは淋しいことです。