歩行者天国とレンタサイクル

2018.03.27 岡田定晴
 セピア色の渚(作曲:Amacha)

 このブログは、メキシコから発信しています。

Google マップ  メキシコ、ハリスコ州、グアダラハラ市で毎週日曜日に行われる歩行者天国に 出かけました。歩行者天国の起点は、グアダラハラ市の代表的なモニュメント Glorieta de La Minerva(ローマの女神 ミネルヴァの像の交差点)の周辺からです。 Google地図を引用します。

Glorieta de La Minerva  ミネルヴァの像は噴水の中央にあり、噴水の周りは緑で囲まれ、その周囲は 円形の道路になっています。ここは、6本の道が交差する道路の中心で、交差点になっています。 この円形の交差点は、スペイン語ではglorietaと言うようです。 イギリスではroundabout(環状交差路)、アメリカではtraffic circle(ロータリー) と呼ばれ、日本ではあるのかもしれませんが、私は見たことがありません。 この交差点に信号機はなく、車はこの円形の道路を反時計まわりに回りながら、進みたい道へ右折します。 普段は、多くの車が、4車線もあるこのglorietaを周回していて、運転するのが難しいと思うほど混雑していますが、 歩行者天国の日は、広々とした空間を提供してくれます。 歩行者天国は、地図の中央を左右に伸びる道路(Av. Ignacio L. Vallarta)を右方向に約11Kmほど 続くということです。



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Los Arcos de Guadalajara  Av. Ignacio L. Vallarta を歩き始めてすぐに、Los Arcos de Guadalajara に到着しました。 1938年に建立されたグアダラハラ市の代表的なモニュメントで、パリの凱旋門を思わせます。 アーチの中央には、『1542年2月14日にこの場所に創設されたヌエバ・ガリシア王国の首都グアダラハラ』 という文字が刻まれています。

公衆自転車システム  そのモニュメント(Los Arcos de Guadalajara)のすぐ手前に、レンタサイクルがありました。 自転車の置き場にある端末には、SISTEMA DE BICI PUBLICA(公衆自転車システム)と書かれていました。 クレジットカードで支払いができますが、予め利用者登録をする必要があるそうです。 その説明を読むと、朝6時から深夜24時まで使用できます。料金は、一日で約480円、3日で約960円、7日で約1680円、 30分から60分迄約120円、60分以上は30分ごとに約180円(例:1時間30分なら約300円)となっています。 グアダラハラの住民は、年会費約2190円で利用可能となっています。

端末  mibiciのホームページ(http://www.mibici.net/es/)を見ると、236駅、2000台以上の自転車があり また、日曜日の駅(駐輪場の自転車を固定する場所)から駅の45分未満の使用は無料となっています。 日本の観光地のレンタサイクルが、数時間で数千円かかったことを思うと、その安さに驚きます。 この端末には、 表示画面と操作パネル、クレジットカードリーダー、操作説明パネル、MIBICIキーの挿入口、領収書印刷装置、 などがあります。電子機器なのに、何のカバーも無く取り付けられています。乾燥している季節は 問題ないでしょうが、雨季には主に午後夕立があります。風雨や自動車の排気ガスにさらされて大丈夫なのかと心配になりました。 自分で使うことはありませんでしたが、説明を読むと、 ①画面の指示に従って自転車を借りる ②自転車の番号を選択し、テンキーパッドでチケットのコードを入力し、緑色のライトが点灯するまで待ちます ③ハンドルバーを引いて自転車を解放し、シートをわずかに持ち上げる この段階で、自転車に乗って楽しみます。利用者は、自転車に責任を持ちます。 ④自転車のツアーが終了したら、自転車を駅に戻す。  音が鳴り、緑色のライトが点灯することを確認する。 自分で使うことがなかったので、クレジットカードとMIBICIキーの使い方が わかりませんが、ICTの管理システムによって、安価に自転車を楽しむことができる 仕組みがあることがわかりました。

Av. Ignacio L. Vallarta Los Arcos de Guadalajara  歩行者天国には、家族や仲間同士でサイクリングを楽しむ人が、次々に行き交っていました。 歩行者天国を横切る大きな道路は、通行止めにはなっていません。人が黄色いロープを張って、 歩行者や自転車の動きを止めて、車が歩行者天国を横切ることができるようにコントロールしていました。 道路から上を見ると、平行な2本の架線が、道路に沿って続いています。これはトロリーバスの 電源供給用の架線で、普段はトロリーバスが走っているのを見かけることがあります。 普通のバスも走っています。

Glorieta de La Minerva Minervaの像とデジタルサイネージ  Glorieta de La Minerva(ローマの女神 ミネルヴァの像の交差点)に戻りました。 広々とした場所で、ここが毎日車で埋まる交差点とは信じられませんでした。ミネルヴァの像の向こうには、 巨大なデジタルサイネージが見えました。グアダラハラ市内を走っていると、道路沿いに同じような巨大な デジタルサイネージを見つけることができます。

ショッピングセンター  夕食を兼ねて、先日とは別のショッピングセンターに向かいました。 日曜日とあって、ショッピングセンターの中は、多くの人で混雑していました。 ここも、日本でいうアウトレットとデパートが併存しているような場所で、 CHANELやL'OCCITANWという香水・化粧品メーカーほか有名ブランド店も入っています。

円筒状のディスプレイ  ひときわ目についたのが、水平5枚、垂直4枚のディスプレイを、円弧のようにつないで 一枚の動画を表示させるディスプレイでした。このセット3面が、円柱の一部を構成するように 配置され、円柱形の吹き抜けの広場の中央に配置されていました。水平なディスプレイと異なり どの場所にいても、自然に目に入ってきます。SUMSUNGの広告を表示していました。 目を凝らしてみると、水平5枚と垂直4枚の画面の継ぎ目が黒く見える部分がある以外は、 画面の破綻には全く気づきませんでした。

 スマホのSIMカードのチャージには有効期限があって、その有効期限までに新たなチャージを 追加しないと、未使用のチャージが消滅するという仕組みのため、チャージを追加する必要が あるのだそうです。そのチャージを、このショッピングセンターにあるTELCEL(通信事業者)の店で行います。

Fried shrimp サービスの魚介入りクリームスープ  最後に、ショッピングセンターの入り口近くにあるレストランに入りました。 飲み物と食事を注文しました。飲み物とパンは、すぐにテーブルに運ばれてきましたが、 随分時間が経ちましたが食事が運ばれてきません。こちらから担当のウェイターを呼ぶことはしませんでしたが、 むこうから、待たせていることを心配して、声をかけてきました。 待たせている理由を説明し、お詫びとして、魚介類の入ったクリームスープが届きました。 また、一品だけ特に遅くなる料理があって、その料理はお金を請求しませんという 対応でした。どれも大変おいしく、食べ残した料理は、持ち帰ることもできます。 また、こちらのトイレは、どこも位置が高すぎて、大人でも困るくらいですが、 この店のトイレは、小学低学年でも対応でき、気配りが行き届いています。 最近の日本では接することができないおもてなしを受け、メキシコを見習わなければならないと 思いました。日本は、利益最優先に走り、気配りのできる店が少なくなったようにも感じます。 勘定をお願いすると、テーブルに請求書が届き、同時に担当者がワイヤレスのクレジットカードリーダーの端末を 持ってきて、目の前でカードの読み取りが行われ、暗証番号を入れ、サインをして決済します。

 ショッピングセンターの入り口で娘たちが駐車料金の精算処理を行っているときに、 銃を持っている警備員が話しかけてきました。どこから来たのか、訊かれたので、 Japon(ハポン)と答えると、片言の日本語で一生懸命話しかけてきました。 『韓国人でもなく中国人でもなく、日本人だね。自分のボスも日本人だ。』と親しく話しかけてきました。 普段、渋谷で外国人旅行客に囲まれて生活しているので、また顔形や背格好が日本人に似たような人も多く、 メキシコに来ても異国に来たという感覚は薄いのですが、メキシコの人から見れば 私たちは外国人です。このようなことは何回もありましたが、皆、親日的でした。

 歩行者天国のレンタサイクルも、デジタルサイネージも、レストランの決済も、駐車料金の精算も、 ICT(情報通信技術)は、この国の生活の中に無理なく自然に溶け込んでいるように思いました。

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