ガラケーと iPod touch を使っていた頃

2019.05.28 岡田定晴
 陽炎(作曲:Amacha)


Huawei+covia
皮ケース+iPod touch

 私は今から9年前、平成22年(2010年)ころ、iPod touchを使っていました。iPod touch は、WiFiに接続してインターネットにアクセスできました。 屋外で、モバイル環境をつくるために、eモバイルブロードバンドに対応したアクセスポイントに接続するHuaweiの通信ユニットを、 coviaのワイヤレスルーターにUSB接続してモバイルWi-Fiルーターとし、これにiPod touchをWiFiで接続していました。 当時は、未だPocket WiFi(モバイルWi-Fiルーター)が発売されておらず、このような組み合わせが必要でした。 当時Huaweiの通信ユニットは、一般的にノートパソコンに差し込んで使われていました。
少し大きくはなりましたが、茶色の皮ケースの中に、Huawei・covia・iPod touchを入れて持ち歩いていました。 Huawei・coviaの電源を入れた状態で茶色の皮ケースを大きな鞄の中に入れておけば、iPod touchを手に持って今のスマホのように扱うことが出来ました。 ただし、携帯電話の機能はありませんでした。iPod touchがiPad miniに変わったものの、ガラケーの使用は、2018年12月まで続きました。

 当時の情報通信機器の保有状況を振り返ってみましょう。総務省「通信利用動向調査」によると、 平成22年(2010年)の保有世帯の割合は、スマートフォン(9.7%)、固定電話(85.8%)、パソコン(83.4%)、タブレット(7.2%)でした。 平成29年(2017年)には、スマートフォンを保有している世帯の割合(75.1%)が、固定電話(70.6%)・パソコン(72.5%)を保有している世帯の割合を上回りました。 タブレットは(36.4%)でした。したがって、平成22年(2010年)当時は、インターネットと言えばパソコンの時代で、モバイルでインターネットに接続すること、 電車の中でインターネットから情報を得るのは、かなり先進的なことだったのです。

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情報通信機器の保有状況
主な情報通信機器の保有状況(世帯)



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 今思えば、iPod touch はモバイル通信網に接続する機能と携帯電話機能が無いだけで、スマホと同じものです。 時系列に見れば、iPod touchがスマホに発展したと考えるのが自然でしょう。 当時mixiに書いた日記【情報通信革命進行中 2010年05月08日】を振り返ってみます。

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産経新聞+今日の中刷り

 当時、通勤電車の中では、iPod touch が欠かせなくなりました。それ以前は、B5サイズのモバイルPCを愛用していましたが、 電源を入れてからインターネットに接続するまでの時間、アプリケーションの起動スピード、重さや大きさ、電池の持続時間などを 考えると、使い勝手はiPod touchが圧倒的に優れていました。

 今では無料サービスが無くなってしまいましたが、産経新聞は20ページ以上の新聞そのものを提供していました。 見たいところを短時間に拡大して見ることができるので、混雑した電車の中では、新聞を広げるより、はるかに楽でした。

 iPod touch は、手のひらサイズのインターネット(無線LAN)につながる高性能コンピュータですから、 デスクトップPCやノートブックでできることは何でもできました。Gmail、Yahoo mail、Skype、YouTube、Googleニュースはもちろん、 手のひらサイズで見るのに適したアプリケーションが10数万件もあり、無料で質の高いソフトも多くありました。 ちょっと驚いたアプリは、流れている音楽の題名やアーティストを教えてくれてCDの販売までサポートするもの、 GPS機能付きの地図、気象情報のほか全国各地の天気カメラを選択して今の空模様を映像で見せてくれるウェザーニュースタッチ、 約50の週刊誌の中吊り広告を集めた『今日の中吊り・・・などなど。 さらに、メール・カレンダー・連絡先・ブックマークを複数のコンピュータで同期させたり、 オンラインストレージで写真やビデオを共有したり、落としたiPod touchを拾った人に リモート機能で連絡先を表示したり、情報を読めないようにロックしたり消去したり・・・。

シンガポールでのWiFi接続(2010年4月)
 2010年4月には、シンガポールで、iPod touchをホテルや街中のWiFiに接続し、Skypeを使って自宅に電話をしました。

 iPod touch は、『手のひらに収まる巨大な情報空間』を提供してくれました。 テレビも、ラジオも、新聞も、メールも、電話も、インターネットも、音楽もビデオも、ビジネスツールも、 あらゆる情報の窓としての機能が、こうした装置に集約されてしまうと思いました。

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今でもガラケーを使っている理由 引用文【情報通信革命進行中】

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 今ではスマホの標準的なアプリとなっているLINE(2011年6月23日初版)は、この当時はありませんでした。 2010年当時、iPod touch は、『手のひらに収まる巨大な情報空間』を提供してくれるもので、 テレビ・ラジオ・新聞・メール・電話・インターネット・音楽・ビデオ・ビジネスツールなど、 あらゆる情報機能がこの装置に集約されてしまうと思ったものでした。 今、ほぼすべての人が、モバイル通信網に接続する携帯電話機能を有するスマホを持つ時代になり、 『統合情報通信システム』ともいえるLINEの普及や、通信の相手先(クラウド)の処理能力の向上による 様々なアプリの登場により、その思いが現実になり、益々加速していると感じます。

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