マイナポータルから特別定額給付金を申請
2020.05.07 岡田定晴
アンダルシア・ワルツ(作曲:Amacha) |
今年に入って、これまでに経験したことの無い異常事態が発生し、 いつ終わるのかわからないという不安に襲われています。
1月中旬に国内初の新型コロナウィルス感染者が確認され、 2月3日にダイヤモンド・プリンセス号が横浜に到着し船内での感染が拡がり、 2月27日に首相が全国の小中高と特別支援学校に3月2日から春休みまで臨時休校することを要請しました。 2月28日に北海道知事が「緊急事態宣言」を出し、道民に向けて、3週間、特に週末の外出を控えるよう呼びかけました。 3月下旬から東京都の感染者数が急激に増加し、都知事が3月23日の記者会見でロックダウンの可能性に言及しました。 オーバーシュート(感染者の爆発的増加)の抑制、3蜜を避ける、リモートワークの推進などが訴えられました。
緊急事態宣言から特別定額給付金の申請まで
4月7日に首相から緊急事態宣言が行われました。期間は、5月6日までの1か月間とし、実施する区域は、 埼玉・千葉・東京・神奈川・大阪・兵庫・福岡の7都府県となりました。 4月16日夜、対象地域が全国に拡大され、 これまでの宣言の対象の7都府県に北海道・茨城・石川・岐阜・愛知・京都の6つの道府県を加えたあわせて13都道府県が、 「特定警戒都道府県」と位置づけられました。首相は、『緊急事態を、5月6日までの残りの期間で終えるためには 『最低で7割、極力8割』の接触削減を何としても実現しなければならない。』と呼びかけました。それ以前に決まっていた『生活支援臨時給付金(所得が減少した一世帯あたり30万円の給付・所得制限あり)』 を覆して、補正予算案を組み替えて国民一人当たり10万円を一律給付するよう指示。 4月20に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」で、 「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、 外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。 医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、 人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」とされ、 感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行こととなりました。
給付対象者は、基準日(令和2年4月27日)において住民基本台帳に記録されている者、 受給権者はその者の属する世帯の世帯主、給付額は給付対象者1人につき10万円となりました。
4月30日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する2020年度補正予算が、 参院本会議で与党と主要野党の賛成多数で可決・成立し、多くの自治体が準備を整え、 5月1日からオンライン申請受付を開始しました。
オンラインで申請しない場合は、郵送で申請することもできます。 住民票の世帯主宛に給付対象者の申請書が郵送され、 申請書と振込先口座と本人の確認書類の3点を、住民票のある各市区町村へ郵送することになりますが、 自治体のHPを見ると申請書が郵送されてくるまでに1か月近くかかりそうです。 オンライン申請でこの期間が省略できるのはありがたいことです。
オンライン申請が完了するまでに3日半

使ってみてわかったこと
○パソコンでは、ICカードリーダーが無ければ、電子署名をすることができません。 従って、ICカードリーダーが無ければスマホで申請するしかありません。 一般的にパソコンは持っているがICカードリーダーが無いという人が殆どだと思われます。○マイナンバーカード(ICカード)のデータは、スマホで非接触で読み取ることができます。 スマホのマイナポータルアプリでログインするには、マイナンバーカードと『利用者証明用電子証明書暗証番号』が必要です。
○パソコンでマイナポータルにログインすることができます。それには、パソコンのマイナポータル画面で 2次元バーコードを表示させ、それをスマホのマイナポータルアプリの『2次元バーコード読取』で読み取らせると、 パソコンの画面が2次元バーコードからTOP外面に自動的に切り替わってログインできます。
○パソコンのマイナポータルで電子署名が必要になった時に、スマホ(iPhone)との連携はできません。 ICカードリーダーが必要です。

『マイナポータル お持ちの端末を利用してマイナポータルでできること 注1)』を見ると、 「二次元バーコードを利用したマイナポータルへのログイン」や、 「二次元バーコードを利用したぴったりサービスでの電子署名付与・券面事項読取」ができると 書いてありますが、iPhoneでは電子署名はできませんでした。
5月1日 パソコンのマイナポータルにログインして申請
パソコンでマイナポータルのサイトにアクセスし、表示された2次元バーコードをスマホのマイナポータルAPPの『2次元バーコード読取』機能を使って パソコンのマイナポータルにログインしました。データ入力がし易く操作が楽なパソコンを使いたいのは誰でも同じでしょう。予め、マイナンバーカードと『利用者証明用電子証明書暗証番号』、振込先口座の確認書類(通帳の写し)、 『署名用電子証明書暗証番号』などを準備しておけば、記入項目や確認項目は多くても、申請作業は順調に進みます。 しかし、step1(連絡先入力)、step2(申請者情報入力)、step3(申請情報入力)、step4(入力内容確認)、 step5(添付書類登録)、step6(書類確認)、step7(電子署名付与)、step8(印刷・送信)、という8段階のうち step7(電子署名付与)で『電子署名を付与する』という釦を押した途端に、エラーコード「EW244-1500」が表示され、 前に進めなくなりました。苦労して入れたデータも、保存してなかったので消えてしまいました。
エラーコードを調べて、Windowsの「Smart Cardサービス」の開始を設定をしましたが、 やはりstep7(電子署名付与)で、前回同様に失敗しました。 エラーメッセージは、冒頭の写真の『EW244-1500』でした。 ここで、第1回めの質問を『サービスお問い合わせ受付窓口』に送りました。
パソコンにカードリーダーが無いのでくマイナンバーカードが読み取れない、だから iPhoneをパソコンの端末としてマイナンバーカードを読み取れるようにできれば解決できると 思いましたが、パソコン側にBluetooth機能(構成品に含めなかった)が無いため、諦めました。
ログインにスマホを使っているので、『電子署名もスマホと連動するもの』と思っていましたが、 パソコンのマイナポータルでは、iPhoneの電子署名機能が使えないのではないか、 『面倒だけどiPhoneのマイナポータルアプリから申請するしかない』という結論に達しました。
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5月1日午後~2日 スマホのマイナポータルAPにログインして申請
スマホのマイナポータルAPの『マイナポータルにスマホでログイン』からログイン操作をして 申請作業を始めました。一度パソコンで入力したデータなので、快適に入力作業が進みました。 パソコンではうまくいかなかった、step7(電子署名付与)で『電子署名を付与する』という釦を押すと、 マイナンバーカードの署名用電子証明書暗証番号の入力画面に移り、次にマイナンバーカードの読み取り操作画面で 読取開始ボタンを押すと数秒して『Safariを確認してください 電子署名の付与に成功しました』という 画面が表示されました。しかし、メッセージを閉じて画面左上の『Safari』をクリックしても step8(印刷・送信)の送信画面につながらず、申請作業が完了しませんでした。電話での質問を試みましたが、何度電話をしてもつながりません。 それで、第2回めの質問を『サービスお問い合わせ受付窓口』に送りました。
5月3日 スマホのSafariでマイナポータルを検索しログインせずに申請
インターネットで成功事例を探し、その記述に従って作業を進めました。 マイナポータルAPではなく、Safariでマイナポータルサイトを検索して、 myna.go.jp を開いて、ログインせずに『特別給付金の申請』に入りました。step7(電子署名付与)で『Safariを確認してください 電子署名の付与に成功しました』という 画面が表示されるまでは前回同様に問題なく進むことができました。 しかし、メッセージを閉じて画面左上の『Safari』をクリックすると 『本当にこのフォームを再送信しますか? キャンセル/送信』というメッセージが表示され、 step8(印刷・送信)の送信画面につながらず、申請作業が完了しませんでした。 電話での質問を試みましたが、何度電話をしてもつながりません。 それで、第3回めの質問を『サービスお問い合わせ受付窓口』に送りました。
ここまできて、これまで作業が完了しなかった原因は、 『サイトの混雑』または『電子署名のアプリとブラウザの連携の不具合』が原因だったかもしれない、 時間をおいてもう一度、マイナポータルAPからログインしてやってみようと思いました。
5月4日午後 スマホのマイナポータルAPにログインして申請
これでダメなら誰がやってもダメと思って、 もう一度、5月2日の『スマホのマイナポータルAPにログインして申請』を実行することにしました。それは、マイナポータルAPからログインして申請するのは当然の流れで、 正当性のあるやり方だと思われること、5月2日は、記録を残していなかったけれど、 Safariの画面に戻そうとしたときに、ブラウザが真っ白になって動かなくなり、 通信が混雑していたのかもしれないと思ったからです。
以下は、これでオンライン申請ができた(正確には『電子申請送信完了』)という実例です。 スマホはiPhone8、iOSのバージョンは13.3.1です。


アプリが立ち上がって表示されるメニューの『マイナポータルにスマホでログイン』をクリックすると、 『マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書のパスワード入力画面』に移ります。 4桁の暗証番号を入れると『マイナンバーカードの読み取り画面』に移ります。 iPhoneの上部がマイナンバーカードの中央に位置するように置きます。 『読み取り開始』をクリックすると、数秒で読取が完了します。



閉じるをクリックするとマイナポータルAPのメニュー画面が表示され、画面左上にある『Safari』の文字を 祈るような気持ちでクリックしました。

『手続き名』と『申請先』を確認し、『申請様式の控えおよび申請完了後の申請データを登録アドレスに送信する』にチェックを入れ、 『送信する』という赤いボタンをクリックしました。

『申請書控えをダウンロードする』という緑のボタンをクリックして画面に従ってダウンロードします。 ダウンロードしたファイルは、iPhone8の『ファイル』というアイコンをクリックして一番左上に表示される 『ぴったりサービス・・・.zip』です。これをクリックし、表示されるメニューで『クイックルック』を選択し 『内容をプレビュー』を押すと、3つのPDFファイルと1つのCSVファイルが表示されます。 これを一件ずつ自分のメールアドレスに送信し、パソコンに保存しました。
step8で『申請様式の控えおよび申請完了後の申請データを登録アドレスに送信する』にチェックを入れたので、 メールに圧縮ファイルが届いていましたが、ファイル名は文字化けし、解凍もできませんでした。
全国民を対象とした情報システムへの対応

一方、一昔前までは企業内の情報システムで行われていたことが、全国民を対象としたシステムが導入されたことで、 解決すべき課題も多くあるように思います。
機器や申請のタイミングなどの条件によっては、何の問題も無く申請できた人も多いでしょう。 私がオンラインで申請が完了するのに3日半もかかってしまったのは、
①パソコンにカードリーダーが無くてもスマホと連携して申請できるという思い込みと、HPの不正確な情報
②アクセスの集中による応答の途絶え
③電子署名付与後に元の作業に戻れないという不具合
が原因であろうと考えています。
企業内であれば、システム部門の担当者が操作のわからない社員のところに行って説明や指導ができますが、 全国民がユーザーとなればそのようなことは到底不可能です。5月1日以降、不具合について3回も異なる質問をしましたが、 私への問い合わせや回答は全くありません。
連休明けの7日、マイナンバーカードの暗証番号を忘れた人が、各地の自治体の窓口を訪れて混雑し、 ある役所では一時4時間待ちで『3密』の状態も心配されたというニュースが放送されていました。 行政の電子化もここまできましたが、大多数の人が気軽に利活用する時代には程遠いと感じました。
○ICT(情報通信システム)の恩恵を受けるためには、小学生のうちから、こうしたシステムを利活用する 基礎的な能力をしっかりと教育し、身につけさせなければならないでしょう。ICTの能力が国力となる時代です。
○初めて使うユーザーの立場でシステムを検証し、必要最小限の予備知識を的確に提供していただきたい。 アクセスの集中ほか、システムで発生している問題について、TOPページにその旨を表示して欲しいと思います。
何事もやってみなければ始まりません。最初から完璧なものはありません。 根気よく少しずつ改善を加えていくことで、いつの間にか高いレベルに到達するのだと思います。
参考
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注1)マイナポータル お持ちの端末を利用してマイナポータルでできること