朗読者からのコメント 「羅城門」





 今昔物語の「羅城門」は、今から900年ほど昔、平安末期の作品と考えられています。芥川龍之介が、 小説「羅生門」の原作品とした物語りです。



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 盗みをするために上京してきた男が、羅城門に隠れていたときに、二階であかりを見つけました。 覗いてみると、老婆が若い女の死体から髪を引き抜いていました。 男は状況が理解できず、鬼かと思いましたが、死人が生き返ったのかもしれない思い、 いきなり刀を抜いて「おまえは誰だ」と叫びました。狼狽する老婆に、何をしているのか尋ねると、 主だった姫が亡くなり、葬ってくれる人もないのでここに置き、髪が素晴らしいので、鬘にしようと 抜いている、助けて欲しいと懇願されました。盗人は、死人の着物と老婆の着物と髪の毛を奪って、 逃げていきました。

 自分が生きるために悪いことをしなくてはならなかったのでしょう。古文なので最初は意味が 分からない部分もありましたが、何度も読んでいるうちに、話の展開に応じたそれぞれの場面を 想像させるような読み方になっていました。高校生のころ、古文は、辞書を片手に現代文に翻訳すること ばかりに時間を費やしていたのですが、声に出して読めばもっと楽しめた筈と思いました。
(3分04秒)


岡田定晴


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