スマホで進化する自動販売機
2019.10.12 岡田定晴
過ぎゆく季節(作曲:Amacha) |

今回の話題は、このポイント還元制度と直接関係するものではありません。 私は、ウォーキングの際、水分を補給するために自動販売機でお茶を買っていますが、 普段はコインを入れてお茶を買うだけです。 今回は、「自動販売機はポイント還元のようなことをしているのかな?」と思って、機械をじろじろ眺めたのです。 そのとき、「情報通信システムがここまで生活の中に入り込んだのか」と気付きました。
関心のない人には、煩わしい事、知らなくても済むこと、知らない方が幸せなことでしょうが、 事業者と消費者がWinWinの関係になる情報通信システムの普及が加速している、日本がこの分野で進み始めたのではないかと少し驚きました。
その情報通信システムとは、自動販売機と消費者のスマホを無線で接続し、商品を選択して決済が完了した時に、消費者のスマホ(LINE)に 通常ポイント1pt(15ポイント貯めればドリンクが一本無料になるサービス)が付与されるというものです。 初めての利用では、ドリンクが無料になるサービスの10ポイントがプレゼントされ、さらにLINE POINT で50POINTが付与されます。
自分も最新の情報通信システムの恩恵を受けてみようと、試してみました。
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自動販売機の前に立って説明を読みながら、初めてのことを試すのは、草臥れるものです。もういいやと諦めてしまう人も多いかもしれません。 サービスを利用するには、飲料メーカーのLINE公式アカウントと友達になっていること、スマホと自動販売機がBluetoothで接続されていることが必要です。
自動販売機には、下記のような説明がありました。
①スマホの「Bluetooth設定」と「位置情報サービス設定」をONにする
②LINEを起動する
③自動販売機の「ここにLINEをかざしてね!」のマークに近づける。
④Bluetoothでスマホと自動販売機が接続されると、自動販売機の金額表示部に「Good」の文字が表示される。
⑤ドリンクを購入する
⑥現金またはクレジットカードで決済されると、ポイントがたまる。


次に自販機とスマホが接続状態にあることが表示され、「現金を投入してください その他の決済の場合は商品を選択してください」というメッセージが表示されます。

ここでホッとしていましたが、まだまだ続きがありました。単に1ポイントが貰えるだけではなく、 初めて利用する人には、LINEの50ポイント、飲料メーカーのショップカードの10ポイントがありました。 最初に貰った通常ポイント1ptというのは、このショップカードの1ポイントでした。


さらに、LINEウォレットを確認していくと、+50LINEポイントというメッセージがありました。これは、この自販機を初めて使ったときにプレゼントされるものです。 LINEのポイントは、ショッピングで使えますが、当面はスタンプ購入に使うつもりです。
初めて自販機の前に立ってこのシステムを利用する人には、飲料が無料になるサービスの1ポイントと初回利用の10ポイント、LINEの+50ポイントなど、 短時間に次々に発生する状況を理解するのに頭が混乱してしまいます。
ポイントは金額にすれば僅かなもので、苦労して使い方を理解しようとするよりは、こういう世界があることを知らない方が幸せかもしれません。 だって、苦労して得たものは、あと4回利用すれば200円以下のドリンク一本が無料になるということと、スタンプにしか利用しないLINEポイント50ですから。 飲料メーカーにとっては、顧客の情報と、いつどこで何を買ったかという購買情報などが得られ、事業戦略を得るのに利用できるというメリットがあるでしょう。 他社よりも自社の自動販売機を使ってもらえるというメリットもあるでしょう。
LINEという「統合情報通信システム」は、LINEの「友だち」の中に製品の販売を促進したりポイントを教えてくれる営業担当という「友だち」を潜り込ませ、 活況を呈しているように感じます。画面が賑やかになっても、人間の「友だち」ではなく、利害関係で結び付くビジネスの関係者であるのは淋しいものです。 しかし、その営業担当が仮に人間であっても、利害関係で結び付くだけなら、コンピュータの方が良い「友だち」かもしれません。
こうした時代に生まれて育つ若い人たちは、短時間に次々に発生する初めての出来事にも冷静に対応して、 何の疑問もなく受け入れて発展させていくことでしょう。
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飲料の自動販売機