朗読者からのコメント 「むじな」





 「むじな」は、1904年「怪談」に、耳なし芳一の話、ろくろ首、雪女などとともに収められています。 日本文化、日本らしさ、日本の良さを描いた小泉八雲の作品です。「むじな」は、見た目は人ですが、 その顔には、目も、鼻も、口もない妖怪「のっぺらぼう」です。



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 ある商人が、だいぶ夜が更けてから紀の国坂の濠ばたで、女がしゃがみ込んでしくしく泣いているのを 見つけました。親切な商人は、なんとか力になってあげようと声をかけますが、女は泣き続けます。 商人が何度話しかけても、しくりしくり泣いています。「ちょっくら聞きなよ。ねえ、お女中。」と 言ったとき、女は正体を見せました。商人は紀の国坂をやみくもに駆け上がりました。そのとき、 そば売りの灯を見つけ駆け込みました。そば売りは、相手にしませんでしたが、女の話をすると、 そのそば売りは、「その女がお前さんに見せたのはこんなんじゃないのか」とのっぺらぼうの顔を見せました。

 わかりやすい簡単なお話で、内容が面白いので楽しみながら朗読しました。
(6分51秒)


岡田定晴


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