新しいメディア NHKプラス
2020.03.04 岡田定晴
麦畑をかける少女(作曲:Amacha) |

しかし、3月1日から配信が始まった『NHKプラス』を見ていると、 衛星放送(アナログ)、衛星デジタル放送、地上デジタル放送・ワンセグ、4K8K衛星放送 などにに匹敵する強力なメディアが誕生したのだと感じます。 ただ、「現在放送中の番組は配信しておりません」「この映像は配信しておりません」などの 画面が挿入される番組やカットも多く、これが早く無くなって欲しいと思います。
NHKプラスには、「追いかけ再生」、「番組まとめリスト(見逃し再生)」、「検索機能」など、 放送に無いインターネットならではの新しい機能が盛り込まれています。 「番組まとめリスト」は3月3日現在、#新型コロナウィルス、#予防情報 新型ウィルス、#おうちで遊ぼう、 #パプリカ、#スカーレット、#ひよっこ、#ドラマ、#ニュース、#アメリカ大統領選、#ドキュメンタリー、 #エンタメ、#趣味#カルチャー、#おいしい、#おやこでたのしむ、#健康#子育て、#10分でわかる、 #ホットスポット、#ご当地、#体を動かす、#まもなく配信終了 のように分類され、見逃し番組が見つけやすく整理されています。
またNHKプラスは、テレビ受像機で見るこれまでの放送とは違い、 パソコン画面の一部に縮小して、パソコンで作業中に「ながら視聴」することや、 常に持ち歩くスマホでいつでもどこでも視聴できることなど、 非常に大きなインパクトがあります。 インターネットの世界で、NHKが制作した幅広いジャンルの膨大で優良な番組が光り輝いています。
新しいメディア誕生の歴史的瞬間を見た
1月15日にNHKがNHKプラスを発表以降、IDの登録はどのようにしたらよいのか気になっていました。 しかし、インターネットで調べても、何の手掛かりもありませんでした。

通知したメールアドレスに、NHKからメールが届きました。 そこに記載されたURLをクリックして、NHKプラスID、パスワード、放送受信契約者の氏名、フリガナ、 放送受信契約の住所、電話番号(任意)、お客様番号(任意)などを登録して利用を申し込みました。
「利用申し込みを受け付けました」「NHKプラスはすぐにご利用いただけますが、ID登録手続きはまだ完了していません」 「ハガキに記載された「確認コード」の入力が必要です。」というメッセージが表示されました。 「NHKプラスのご利用はこちらから」というバナーをクリックして『NHKプラス』の画面が表示されました。
また、利用を申し込んで暫くの間はメールが届きませんでした。 かなり混雑しているのかなと思い、メールソフトを閉じ、暫く待ってメールを開くと 利用申し込みの受付をした旨のメールが届いていました。この間、約1分くらいでしょうか。 メールには、「NHKプラスは下記ページからご利用できます。 https://nhk.jp/plus」 とも書かれていました。
あとで知りましたが、3月1日の午後3時30分付で、
ID登録の申し込みを再開したこと、
メールの到着が遅くて1時間の有効期限が切れていたこと、
メールが届かなかった人がいたこと、
メールが届くまでに1時間以上かかることがあること、
ID登録の有効期間を24時間にすること、
手続きができなかった人に再度申し込みを促す等のメッセージがありました。 やはり、申し込みが殺到していたのでしょう。


NHKプラスにIDとパスワードでログインすれば、ハガキが届いて確認コードを入力する前でも、通常の放送画面を視聴できることがわかりました。
この画面は、追いかけ再生ですが、3月1日午前7時から始まった「おはよう日本」です。 新しいメディアが誕生した歴史的瞬間です。
スマホのアプリで受信

APPストアで「NHKプラス」を検索し、アプリを見つけました。 すぐにダウンロードして起動しました。

パソコンで「ID登録手続き」をしたときに、複雑な内容ではなく、自分で覚えられる文字列を設定したのは良かったと思いました。
新しいデバイスでの利用の際や、その後もIDとパスワードが必要になることがあるので、 覚えやすいものが良いと感じました。

画面が黒になっている部分に、実際にはニュースの画面があります。 iPhoneでは、番組内容がキャプチャーできないようにつくられているようです。 あとで参考にしたい重要な画面を保存できません。 放送映像のワンシーンをキャプチャーして、SNSに簡単にアップロードされることも無いでしょう。
いずれにせよ電波の弱い場所でも、通信が可能ならNHKプラスが視聴できることがわかりました。 iPhoneにはワンセグ受信機能はありませんが、これでNHKのライブの放送を視聴できるようになりました。
大きな変化
上田前会長の言葉
今年の1月15日、NHKの上田前会長は、 「NHKは今の経営計画で、放送を太い幹としつつ、インターネットも適切に活用し、 正確で迅速なニュースや質の高い多彩な番組を『いつでも、どこでも』受け取っていただける環境を整え、 視聴できる機会を拡大していくことを掲げている。 『NHKプラス』の開始は、NHKが『公共メディア』として、 これからも信頼される『情報の社会的基盤』としての役割を果たし続けていくための大きな飛躍の一歩だ」 と述べました。パソコンのブラウザやスマホでNHKプラスを見て、この言葉を実感しています。
期待以上のサービス
NHKプラスは、『放送を補完するサービス』という位置付けですが、・追いかけ再生、見逃し再生、検索機能など放送にない機能がある
・パソコンで「テレビのながら視聴」ができる
・スマホでいつでもどこでも視聴できる
など、これまでに登場した放送メディアを凌ぐ優れたサービスを提供しています。
インターネットの表舞台に放送事業者が登場
これまで、とくにインターネットの黎明期に、既存のマスメディアは、インターネット事業者にコンテンツを提供し、 インターネットの世界では控えめに動いていました。そのことが、優れたコンテンツ制作能力がありながら、 技術先行のインターネット企業に利用され、衰退の道を歩いてきたように思えて仕方がありません。 手法は違いますが、Yahoo!ニュースやGoogleニュースなどは、その例だと思います。また、海外に拠点があって日本のテレビ放送を有料で配信している業者が存在します。 我が国の領土外に在留する法人の総数は2018年10月の集計で139万370人となっています。 大きな市場があるので、違法な業者が存在しているようにも思えます。 日本国内では業者のホームページは閲覧できないようになっていますが、 海外在留邦人の間では普及しているようです。 放送事業者が直接、インターネットの表舞台に立つことで、こうした違法な業者は いずれ存在できなくなることでしょう。
『テレビは放送所の電波で放送されるものではなく、インターネットで配信されるもの。』 という大きな意識の変化が起きることでしょう。 放送は大画面で高音質なテレビ受像機で視聴したいものですが、 忙しい現代人には放送に触れる時間が無いのです。 だからスマホやパソコンで放送の内容に接するだけで十分なのです。 受信料を払っている人にとって、これまで接する機会が少なかった放送コンテンツに接する機会が与えられるのは、大きなプレゼントです。 受信料を払ってNHKプラスを見ようという人も出てくるかもしれません。 2020.3.1のNHKプラスの試行的な配信の開始が、日本の放送業界の大きな転換点になるかもしれません。
インターネットの世界は、誰でも参加できるものです。 放送事者は、ネット事業者にコンテンツを提供せず、自らが発信して、新しいメディアとして発展させて欲しいものです。 そのことで大きな存在感を持ち、放送コンテンツの優秀さがわかります。 技術の進歩とともに、4Kや8kや立体テレビなどへの発展も考えられます。 民業圧迫という国内の問題に足を引っ張られることなく、海外の企業の独占を許すことなく、 新しい分野を開拓して欲しいと思います。
○改善が望まれる「蓋かぶせ」

私は、2000年にアメリカのあるイベントで発表したことがあります。 その発表の申込書には、提出する資料等の主催者側の使用条件が書いてあり、 それに承諾のサインすることが発表の条件になっていました。 そこには、提出した資料がインターネットで公表される可能性についても書かれていました。
現実には難しいことかもしれませんが、 番組の制作者や出演者に、NHKプラスでの公開を条件に仕事を受けてもらうという方法もあるのではないかと思います。
双方向
設定メニューの中に、 「利用者は、本サービスにおける番組視聴の履歴等の計測の設定を変更することができます。」とあり、・番組視聴の履歴の計測
・操作ログや設定情報など、番組視聴の履歴以外の利用者情報の計測
について、利用者がON/OFFすることができます。
世帯単位の情報なので十分なものではないでしょうが、 番組やサービスに対する視聴者のニーズなどを直接的に把握することができ、それがサービス向上に活かされることが期待できます。
3月3日、『【NHKプラス】確認コード入力のお願い』というメールが届きました。 ハガキが一週間以内に届く予定で、記載の案内に沿って「確認コード」を入力すると NHKプラスIDの登録手続きが完了するという内容でした。メールを受信してから20日以内に入力しなければ、 同時配信の画面に再びメッセージが表示され、見逃し番組を見ることができなくなります。
この一か月以上、毎日、新型コロナウィルスのニュースばかりで不安が募る中で、夢のあるプレゼントをいただきました。 『新しいメディア NHKプラス』には、大きく育ってほしいと願っています。
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